巻上機のワイヤー交換作業中に墜落
原因
開口部の差し込み式防護棚を外し無防護だったこと。 2階の吹き抜けの開口部の真上に巻上機を停止させたこと。 巻上機の左右方向のトロリは「手押しで横移動するプレントロリ」だったこと。 開口部養生(安全ネット等)をしないで、「安全帯等の取付設備(安全ブロック等)」も設置しなかったこと。
Aは2階開口部で無防護の状態で作業をしたこと。 Aはハーネス型安全帯を着用しなかったこと。 Aはプレントロリの移動方向に直接伸縮はしごの上部を掛けたこと。
巻上機のwr交換等の倉庫管理は協力会社が専ら行っていたこと。 事業場に「天井Crの作業手順書」は作成していなかったこと。 天井Cr作業のリスクアセスメント(RA)は実施しなかったこと。 事業場・協力会杜はクレーン作業の安全教育は実施していなかったこと。 作業開始前にKY活動を実施しなかったこと。
対策
2階開口部の差し込み式防護棚は設置し、安全ネットで覆う〔巻上機のフックー巻上げwrは安全ネットの接合部から1階に降ろす〕こと。 2階の巻上機を開口部から離れた場所に移動し、補助手すり付き可搬式作業台で作業を行うこと。 ブレントロリの左右は引張クランプで締め付ける〔☆丸輪に安全ブロックが取付け可能となる〕こと。
作業者はハーネス型を着用し、ハーネス型のD輪を安全ブロックのフックに直接掛けること。 両手を使用する作業では「伸縮はしごの使用は禁止」すること。
協力会社任せにせず事業場が安全管理を行い「倉庫管理の作業手順書」を作成すること。 〔社内にクレーン作業に詳しい人がいない場合は、外部のクレーン作業に詳しいコンサルタントの監修指導を受けること〕 協力会社の不安全な経験則だけに頼らず、事業場と協力会社が合同でRAを実施すること。 事業場・協力会社はクレーンの能力向上教育を実施すること。 作業開始前にKY活動を実施し記録に残すこと。
小型天井Crのガーダーが落下し作業者に激突
原因
当工場は30年前に埋め立てた埋立地内だったこと。 天井Crのガーダーは地震で脱輪していたこと。 天井Crのサドル内の走行車輪が磨耗していたこと。
操作者Eは地震後に空荷状態で天井Crの試験走行をしなかったこと。 溶接工Fは天井Crの真下で溶接作業をしていたこと。 Eはクレーンの特別教育修了者でなかったこと。
「3連休中に震度4以上の地震が2回」あったにも係わらず、事業場の監督者、職長は朝礼で天井クレーンの「作業開始前の点検」を指示しなかったこと。 事業場は1月以内ごとの自主検査は実施しなかったこと。
倉庫管理は協力会社が専ら行っていたこと。 事業場・協力会社は、小型天井Cr作業の安全教育を実施していなかったこと。 事業場に「小型天井Cr作業の作業手順書」は作成していなかったこと。 小型天井Cr作業のRAは実施しなかったこと。 作業開始前にKY活動を実施しなかったこと。
対策
埋立地は脆弱な地盤なので、中震以上の震度の地震の後は建屋支柱と天井Crの状況を目視で行うこと。 また作業開始前に空荷走行で点検を行うこと。 他の棟の建屋支柱も一斉点検を行い、必要に応じて支柱の補強とガーダーの落下防止措置を行うこと。
操作者は地震後に空荷状態で天井Crの試験走行を行うこと。 操作者はつり荷の真下に作業者がいないことを確認すること。 操作者はクレーンの特別教育修了者が行うこと。なお玉掛けは技能講習修了者が行うこと。
事業場の監督者、職長は、3連休中の地震を新聞報道で知っているはずなので、朝礼の「作業開始前の打合せで点検を指示」すること。 (作業場は1月以内ごとの自主検査を実施し記録に残すこと。
協力会社のみに行わせず、事業場と協力会社合同で作業手順書を作成すること。 作業関係者に安全教育を行い記録に残すこと。 小型天井Cr作業のRAを実施すること。 作業開始前にKY活動を実施し記録に残すこと。
ハッチを開けているとき玉掛け者が墜落
原因
軽量覆エ板4枚を接合した開閉蓋は「中央のUボルトで1点つり」だったこと。 ハッチの周囲に「差し込み式防護柵」を設置しなかった〔「防護柵設置」が基本ルールだった〕こと。
Cは開閉蓋上に乗り右手でチェーンを持ちバランスを取ろうとしたこと。 卷上機操作者Dは卷上機操作と玉掛けの法定資格を有していなかったこと。 Cはハーネス型安全帯を使用しなかったこと。
倉庫管理は協力会社が専ら行っていたこと。 事業場・協力会社は、小型天井Cr作業の安全教育を実施していなかったこと。 事業場に「小型天井Cr作業の作業手順書」は作成していなかったこと。 小型天井Cr作業のRAは実施しなかったこと。 作業開始前にKY活動を実施しなかったこと。
対策
開閉蓋の四隅にフック掛けを取 り付け「片端フック付き4本つり」で玉掛けを行うこと。 ハッチ周囲の差し込み穴〔6力所〕に「差し込み式防護柵」を設置すること。
開閉蓋上に「作業者が乗った状態で天井Cr操作は厳禁とすること。 天井Cr操作者は「特別教育修了者(クレーン則第21条)玉掛けは技能講習修了者(クレーン則第221条)」が行うこと。 開口部周辺の作業者はハーネス型安全帯を着用し、背面上部の堅固な物に安全帯のフックを掛けて作業を行うこと。
協力会社のみに行わせず、事業場と協力会社合同で作業手順書を作成すること。 作業関係者に安全教育を行い記録に残すこと。 小型天井Cr作業のRAを実施すること。 作業開始前にKY活動を実施し記録に残すこと。
ホイスト式天井Crの落下災害
原因
つり上げ荷重1tのH式天井CrのつりボルトはCアンカ一の引抜き方向だったこと。 H式天井Cr上部のCアンカー根入れ部のコンクリートは経年劣化が著しく崩壊状態だったこと。
A、Bは800kgのつり荷2つをつった状態で、つり荷の近くにいたこと。 職長Cは震度4以上の地震だったにも係わらず地震直後にH式天井Cr上部の点検が必要なことを知らなかった〔★クレーン則第37条に抵触〕こと。
事業場は危険性の高い天井Cr作業なのにリスクアセスメント(RA)は実施せず、協力会社が専ら安全管理を行っていたこと。 (協力会社に天井Crの作業手順書はあったが、強い地震時の対応など具体的な作業方法は、全て職長の判断で行わせていた) 20年前に定格荷重1tに設備変更を行った際、事業所の設備担当者はH式天井Crを天井に固定していたボルトがCアンカーとの認識はなかった〔梁の鋼材に堅固な溶接止めとの認識〕こと。 Cアンカーは創業以来点検をしたことがなく「震度4以上の地震」でも、つりボルトの支点の状況を点検をしなかったこと。
対策
梁にU形の鋼板を抱き合わせて補強し、アンカーボルトを両側に2本ずつ取り付け、サスペンションはレールの真上にV形に取り付けること。 梁がない場合I形鋼を井桁状に枠組みして、サスペンションは前記と同様にV形取り付けてH式天井Crを設置すること。 アンカーボルト取り付けのコンクリート劣化状況は打音検査で確認すること。
震度4以上の地震発生時は、つり荷は床面に下ろして安全な場所に退避させること。 職長は震度4以上の地震が発生した場合、余震が納まったらH式天井Crの上部などの安全確認を行うこと。
梁などからRcアンカーを引抜き方向使用は禁止とし、前記の対応を行うこと。 「震度4以上の地震」発生後は空荷の状態でクレーンの点検を行うこと。
天井Crの走行トロリ線に接触し感電
原因
クレーンの電源盤に「通電禁止」の表示を行う「監視人を配置」しないで、ガーダー上の清掃作業を送電状態で作業を行ったこと。 走行トロリ線に「絶縁覆い」を設置しなかったこと。 作業場所の照度は50lx程度と暗かったこと。
作業者2人は保護帽・防塵マ スクのみ着用で、保護帽にヘッドランプ・防災面を着用しなかったこと。 作業者2人は作業開始前までに走行トロリ線は送電は停止していると思っていたこと。
危険性の高い天井クレーン作業なのにRAは実施せず、協力会社のみが作業管理・安全管理を行っていたこと。 事業場・協力会社に天井クレーンの20年前の作業手順書はあったが、具体的な作業方法は職長が全て決定していたこと。 事業場と協力会社の作業開始前の作業打合せはなく協力会社のみが作業管理・安全管理を実施していたこと。
対策
クレーンの電源盤に「通電禁止」の表示を行う「監視人」を配置し、ガーダー上の清掃作業は送電停止状態で作業を行うこと。 走行トロリ線には「絶縁覆い」を設置すること。 投光器等で照度300lx程度を確保すること。
作業者2人はヘッドランプ付き保護帽・防塵マスク・防災面・絶縁用保護具を着用・使用させること。 清掃作業者は作業開始前に走行トロリ線の送電停止を確認すること。 職長・作業者は走行トロリ線の送電停止を確認すること。
危険性の高いガーダー上の作業なので、事業場はRAを実施し協力会社任せにしないこと。 事業場と協力会社は定期的〔法律は定期的に改訂される〕に天井Crの作業手順書を見直し、職長のみに作業管理・安全管理を行わせないこと。 事業場と協力会社は作業開始前に作業打合せを行い記録に残すこと。
つり具(フック)が落下し作業者2人に激突
原因
過巻防止装置内のカムを固定していたピンが折れていたため、同装置は作動しなかったこと。 常に過巻防止装置を作動させていたため、頻繁に過巻防止装置に衝撃がかかり、カム軸のピンが破断していた〔★極めて危険な作業方法〕こと。
Dはラジコンの操作に集中し、作業者2人がつり具の真下で作業していることに、気がつかなかったこと。 作業者2人は運転中のつり具(フック)の真下で作業をしていた〔★危険な上下作業〕こと。 職長Eは作業が終了したため、作業の実施状況を確認せず、事務所に戻っていたこと。
事業場では「作業開始前の点検・天井Crの月例検査」は実施しなかった〔★メーカーの年次検査のみに依存〕こと。 危険性の高い天井Cr作業であるにもかかわらず、RA実施せず、協力会社のみに作業管理・安全管理を行わせていた〔★不安全な経験則〕こと。 事業場・協力会社に20年前作成の天井Crの作業手順書はあったが、具体的な内容は不備で、具体的な作業方法は職長が全て決定していたこと。 事業場と協力会社の作業開始前の作業打合せはなく協力会社のみが作業管理・安全管理を行っていたこと。
対策
「作業開始前の点検と定期自主検査(月例)〔安全装置〕」で過巻防止装置の点検を行うこと。 「過巻防止装置が作動するまで、フックを巻き上げて停止の方法は禁止」とし、巻上げ停止をするときは、目視等により確認しながら停止させる〔☆過巻防止装置は非常の場合以外使用させない〕こと。
クレーン運転士は「つり具の真下で作業は危険」を徹底し作業者を安全な場所に退避させること。 作業者に「つり具の真下作業は危険」を認識させ退避させること。 職長は作業が終了するフックの定位置収納まで職場を離れないこと。
事業場は「卜ロリ式天井Crの定期自主検査(月例)」を実施すること。 危険性の高い天井Cr作業なのでRAを実施しその内容を安全教育などに活用すること。 事業場・協力会社が合同で、天井Crの作業手順書は定期的に見直す〔☆法律は定期的に改正される〕こと。 事業場と協力会社は作業開始前に作業打合せを行い記録に残すこと。
鉄屑容器が荷振れして作業者に激突
原因
地下の集水槽上部に鉄屑容器の横振れ防止の鋼製ガイドがなかったこと。 運転席から地下の集水槽は見えない状態だったこと。 合図者Bから被災者Aは容器の死角になり直視できない状態だったこと。
運転者Cは無線操作は不慣れだった為、運転室内で操作を行っていたこと。 合図者Bは被災者Aを直視できない場所で、運転士Cに合図をしていたこと。
事業場は危険性の高い天井Cr作業であるにもかかわらず、RAを実施せず、協力会社のみに作業管理・安全管理を行わせていたこと。 協力会社に天井Crの作業手順書はあったが、具体的な作業方法は職長が全て決定していたこと。 事業場と協力会社の作業開始前の作業打ち合わせはなく、協力会社のみが作業管理・安全管理を行っていたこと。
対策
地下の集水槽上部に鉄屑容器の横振れ防止の「差し込み式鋼製ガイド」を設置すること。 天井Crの運転は、集水槽上部が直視できる無線操作(ラジコン)で行うこと。 合図者は玉掛け補助作業者を直視できる場所で誘導すること。
天井Crの運転士は、日ごろから安全な場所で無負荷状態で無線操作の練習を行うこと。 合図者は、クレーン運転士を、集水槽上部が直視できる安全な場所等で合図を行うこと。
天井Crは重量物を扱う危険性が高い作業なので、「協力会社任せにせずRAを実施」し、その内容を安全衛生教育等でフォローすること。 天井Crの関係法令も定期的に改訂されるので、「作業手順書は定期的に改訂」すること。 事業場と協力会社は作業開始前の作業打ち合わせを行い、作業打ち合わせ書として記録に残すこと。
踏だなのあるはしご道からの墜落
原因
はしご道上部の突出しは40cm程度で踏面はなく、背もたれもなかったこと。 下部のはしご道に背もたれはなかったこと。 上部のはしご道下部と踏だなの手すりとの間隔は110cmの開口状態だったこと。
点検者3人の保護帽にはへッドランプを具備していなかったこと。 点検者3人はハーネス型安全帯(以下「安全帯」という)を着用していたが、使用していなかったこと。
はしご道の作業手順書は30年前のもので、一回も見直しを行わず、また具体的な内容が乏しかったこと。 天井クレーンの点検作業は、協力会社のみに施工管理・安全管理を実施させていたこと。 事業場では天井クレーン作業のRAは実施しなかったこと。 事業場の「安全担当者は高所恐怖症」なので、昇降設備に於ける危険性の認識は殆どなかった〔事業場の安全担当者はランウェイに昇ったことがない人が多い〕こと。
対策
はしご道最上部に突出しは110cm程度、背もたれ付き踏面とすること。 背もたれは下部のはしご道にも設置すること。 上部のはしご道下部と踏だなの手すりとの間隔には、L形に手すりを嵩上げし、上下のはしごには「固定ガイド式スライド(墜落阻止器具)を設置」すること。
天井クレーンの点検作業者は全員「ヘッドランプ付き保護帽」を着用すること。 はしご道の昇降者は全員、安全帯のD環を墜落阻止器具(スライド器具)に掛けて昇降する〔はしご道の昇降、ランウェイの歩行・ガーダー上の歩行を含め、常時安全帯を使用〕こと。
作業手順書は法令の改定の都度、見直しを行う〔☆必要に応じクレーン作業に詳しい安全の専門家の監修指導を受ける〕こと。 天井クレーンの点検作業は協力会社任せにしないで、事前に作業打合せを行うこと。 事業場では協力会社を交えて、天井クレーン作業のRAを実施し記録に残すこと。 天井クレーンの点検作業は、高所作業であるため、事業場の安全担当者は高所恐怖症でない人を配置し、ランウェイの状態を確認すること。
高所から複数の工具が落下し歩行者2人に激突
原因
作業者3人の工具(ラチェットハンドル、モンキレンチ)は工具ホルダーに取り付けず、底の浅い工具袋に乱雑に収納していたこと。 工具は日頃からトロリ上に直接置いて作業を行っていたこと。
ガーダー上の作業終了後、トロリ上の工具の置き忘れなしの確認をしないでトロリを離れたこと。 職長は「工具の置き忘れを確認する写真撮影」をしないで、事務所には書類だけで年次検査完了の報告を行ったこと。
点検会社にクレーン点検の作業手順書はあったが、工具の管理方法は職長任せだったこと。 クレーン点検作業開始前に工具の確認は行ったが、作業終了時の工具の確認は行わず写真撮影もしなかったこと。 点検会社は事前にリスクアセスメントは実施せず、作業開始前のKY活動も実施しなかったこと。
対策
工具等は布ホルダー(伸縮自在の帯)を取り付け、工具ベルトのさやケースに入れるか、工具袋に収納し「トロリ上に工具直接置きは禁止」とすること。 なお、小物の落下防止として、トロリ両端の安全ネット上に「落下防止のシート」を張り、大きい工具は工具置きシートに並べ、作業終了後は工具袋に収納すること。
作業終了後トロリを離れるときは、作業者全員で指差し呼称で「忘れ物なし」を確認すること。 職長はトロリ上などに「忘れなし」の写真を撮影を行い、事務所への報告にも添付すること。
クレーン点検の作業手順書は定期的に見直し、工具の管理方法を含め職長任せにしないこと。 クレーン点検作業終了時の工具の確認も確認を行い写真を撮影すること。 点検会社は作業開始前にRAを行い、残留リスクを作業開始前のKY活動で活用すること。
玉掛けのハッカーが外れてつり荷が落下
原因
水道管を束ねたナイロン製の結束帯にL型フックを掛けたこと。 不適正な用具を使用していたこと。
玉掛け者Bは、水道管10本束の結束帯にL型フックを掛けたこと。 玉掛け者Bはジブの作業半径内の荷台上で待機していたこと。 玉掛け者B、Cはアルバイトで、玉掛けの法定資格はなかったこと。 職長Dは事務所で打合せ中で現場には不在だったこと。
事前に元請けと職長との作業打合せがなく、協力会社が専ら作業管理、安全管理を実施していたこと。 協力会社に「積載形クレーン作業の作業手順書」はなかったこと。 作業開始前に、現場で「KY活動」を実施しなかったこと。
対策
つり荷は鋼製なので、滑りづらいベルトスリングを使用すること。 玉掛け方法は、ベルトスリングを「目掛け(アイ掛け)2本つり」で行うこと。
強度保証のない「結束帯へのフック掛けは厳禁」とし、前記のベルトスリングで玉掛け、玉掛け者は「ジブの作業半径内は立入禁止」とすること。 なお、クレーン操作者もレバー操作は禁止とし、有線・無線方式で作業半径外でクレーン操作を行うこと。 玉掛け者は玉掛けの法定資格者を配置すること。 職長はクレーン作業は危険性を伴うので、現場に常時立ち会うこと。
事前に元請けと職長との作業打合せを行うこと。 「積載形クレーン作業の作業手順書」を作成し周知すること。 作業開始前に、現場で「KY活動」を実施すること。
掘削溝内にヒューム管をつり降ろす時、積載形クレーンが転倒し転落
原因
崩壊しやすい地山で、掘削こう配は約50度で素掘りだったこと。 積載形クレーンを設置した路肩は簡易舗装で脆弱だったこと。 3段ジブの積載形クレーンの「アウトリガーは最小張出で、荷台は空車状態だったこと。 アウトリガーの敷板は小断面で、路面に敷鉄板を設置していなかったこと。
クレーン操作者Aはアウトリガーを最小張出し、路面に敷鉄板を設置しなかったこと。 玉掛け者Aは作業半径内で待機していたこと。 荷台上の玉掛け者Cはつり荷に介添えロープを取り付けなかったこと。
ヒューム管の敷設は協力会社が専ら実施していたこと。 元請け・協力会社に「ヒューム管敷設の作業手順書」はなかったこと。 事前に両社は、積載形クレーン作業のRAは実施しなかったこと。 作業開始前にKY活動を実施しなかったこと。
対策
深さ1m以上はたて込み簡易土留め工法〔トレンチシステム〕を採用すること。 簡易舗装の路肩は脆弱であるため路面に敷鉄板を設置すること。 積載形クレーン使用の場合、アウトリガーは最大張出しとし、つり荷質量に見合う作業半径は空車時定格荷重表で定格荷重を確認〔荷振れを考え80%以下〕すること。
クレーン操作者は「アウトリガーは最大張出し,路面に敷鉄板を設置」を原則とすること。 掛け者はつり荷に介添えロープを取り付け使用すること。 作業半径外で誘導を行うこと。
ヒューム管の敷設は「協力会社のみが専ら実施させず、事業場・協力会社合同で「ヒューム管敷設の作業手順書」を作成し周知すること。 両社は、事前にドラグショベル作業のRAを作成すること。 作業開始前のKY活動でRAの残留リスクをフォローすること。
積載形クレーンが転倒し玉掛け者に激突
原因
「Оrは中間張り出し」だったこと。 「敷板は小断面」だったこと。 荷台は空車状態になったこと。 短時間の荷降ろしだったので、「強風下で作業」を続行したこと。
クレーン操作者Bは「中間張り出し」だったことを忘れ、「最大張り出し」と同じ作業半径の定格荷重で作業を行ったこと。 玉掛け者Cは、介添えロープを取り付けなかったこと。
当会社は作業方法は職長のみが決定していたこと。 当会社には「積載形クレーン作業の作業手順書」はなかったこと。 作業開始前に、全員参加のKY活動を実施しなかったこと。
対策
荷降ろし場所が路面より低く、作業半径が4m以上の作業は、「4.9tつりクローラクレーンをレンタル」し敷鉄板を設置すること。 強風になったら作業は中止すること。
クローラクレーンの操作者は、作業半径は定格荷重の80%以下で行うこと。 玉掛け者はつり荷に「介添えロープを取り付けて、つり荷を誘導」すること。
会社の工事担当者と職長は、作業打合せを行い記録に残す〔有事の場合、証拠になる〕こと。 「小型移動式クレーンの作業手順書」を作成すること。 作業開始前に、全員参加のKY活動を行い、書類として残すこと。